不動産売却における分筆とは?メリット・デメリットと分筆方法を解説
土地を所有している方のなかには、土地の一部のみを売却したいと考えている方もおられるでしょう。
このような場合は、土地を分筆することで一部のみを売却することが可能です。
そこで、不動産売却における分筆とはなにか、分筆するメリット・デメリットと分筆方法について解説します。
不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。
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不動産売却前に知っておきたい「分筆」とは?
土地の一部のみを売却したいといった場合は、土地を「分筆(ぶんぴつ)」することで、売却が可能になります。
ここでは、分筆とはなにか、また必要になるケースについて解説します。
土地の分筆とは
分筆とは、1つの土地を複数の土地に分けることをいいます。
分筆した土地は、1筆、2筆と数え、法務居にて登記手続きをおこなうと、それぞれの土地で登記簿が作成されます。
たとえば、「〇丁目1-10」の土地を2つに分筆した場合の番地は「〇丁目1-10-1」と「〇丁目1-10-2」です。
このように分筆をおこなうと土地の地番が変わり、まったく別の土地として扱われるようになります。
この登記手続きは「分筆登記」と呼ばれ、分筆した際は手続きが必要になるため注意しましょう。
なお、分筆すれば、それぞれの土地を別々に活用できるようになるため、片方のみの売却も可能になります。
一方で、分筆しない土地を一部売却することは、非常にトラブルが生じやすくなるためおすすめしません。
土地の一部のみ売却したいというような場合は、分筆して別の土地にしてから売却をしましょう。
土地の分筆が必要になるケース
土地の分筆が必要になるケースは、以下のような場合です。
●土地の一部のみを売却したい場合
●相続のため複数人で土地を分けたいとき
●親が所有する土地に子どもが家を建てるとき
土地の分筆が必要になるケースは、一部のみを売却する以外にも、相続人で土地を公平に分けるときなどにも用いられます。
また、親の土地の敷地内に子どもが家を建てるような場合も、分筆が必要です。
分筆をしないまま親の土地で家を建ててしまうと、住宅ローンを組む際に親の土地すべてが担保に設定されてしまいます。
仮に、返済が滞ってしまうと、親の土地も差し押さえされてしまうため、できれば分筆をおこなってから家を建てるようにしましょう。
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不動産売却前に分筆するメリット・デメリット
続いて、分筆するメリットとデメリットを見ていきましょう。
土地を分筆するメリット
分筆のメリットは、以下の2つが挙げられます。
●異なる地目を登記できる
●税金が安くなることがある
土地には、それぞれ土地の用途に応じて「地目」が定められています。
たとえば、良く用いられる地目には、「宅地」「田」「山林」「畑」「原野」などがあります。
通常、この地目は1筆の土地で1つのため、田や畑と登記されている場合は、そこに住宅を建てることはできません。
しかし、分筆すればそれぞれの土地で自由な用途で利用できるため、土地が有効活用しやすくなるでしょう。
また、分筆することにより、税金が安くなることもあります。
たとえば、所有している敷地が大通りに面している場合、評価額が上がるため税金が高くなってしまいます。
しかし、分筆すれば、大通りに面している土地とそうでない土地ができるため、面していない土地の評価額が下がり税金が安くなる場合があるのです。
このように、分筆すれば土地を活用しやすくなるほか、税金が安くなるメリットが得られます。
土地を分筆するデメリット
一方で、分筆のデメリットは、以下の2つが挙げられます。
●使い勝手が悪くなる
●建築の制限を受けることがある
分筆するデメリットとしてまず挙げられるのが、土地の面積が狭くなることで、使い勝手が悪くなることです。
また、正方形や長方形だった土地が、分筆により不整形地となり、資産価値が下がる可能性もあります。
そのほかにも、分筆によって建築の制限がかかる可能性がある点に注意しなければなりません。
たとえば、分筆で土地面積が狭くなることで、セットバックが必要になり、建築に制限がかかり思うような建物が建てれないケースもあります。
また、接道義務を満たさなくなり、土地のうえに建物を建てることができない「再建築不可物件」となる可能性もあります。
このように、分筆により土地の使い勝手が悪くなったり、資産価値が下がったり、場合によっては建築に制限がかかったりすることもあるため注意が必要です。
トラブルを防ぐためには、専門家である土地家屋調査士に相談しながら進めるのが望ましいといえるでしょう。
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不動産売却前に分筆する方法
最後に、土地を分筆する方法を解説します。
なお、分筆の登記まですべて完了するまで、早くて1か月程度かかります。
さらに、周辺との調整が必要な場合は、半年以上かかるケースもある点に注意しましょう。
分筆をおこなう際は、以下の方法で進めていきます。
流れ①土地家屋調査士に依頼する
土地を分筆する際は、個人では難しいため、専門家である土地家屋調査士に依頼し進めていきます。
ただし、分筆後に売却を予定している場合は、先に不動産会社にご相談ください。
なぜなら、土地の分筆する形によって土地の価値が変わってくるためです。
資産価値を落とさず高値売却したいとお考えの場合は、不動産会社に相談してから土地家屋調査士のもとで分筆をおこなうと良いでしょう。
流れ②事前調査と境界確定測量をおこなう
分筆にあたって、土地に関しての情報が必要になるため、登記簿謄本や測量図、公図をそれぞれ役所や法務局で取得します。
また、土地家屋調査士が現地調査により境界や筆界を確認します。
境界が明らかでない場合は、そのままでは分筆することはできません。
そのため、境界を確定するための境界確定測量が必要になります。
流れ③分筆案を作成する
境界確定測量が済むと、どのように土地を分筆するのか分筆案を作成していきます。
この分筆案は、役所や隣地所有者などとの立ち会い時に使用するため、ある程度きちんとした案でなければなりません。
土地家屋調査士に依頼している場合は、希望を伝えることで分筆案を作成してもらえるため、相談してみましょう。
流れ④境界標を設置する
分筆するには、隣地所有者立ち会いのもと、分筆についての同意を得なければなりません。
隣地所有者から同意が得られれば、境界の目印となる境界標や境界杭を設置していきます。
なお、隣接する道路が県道や市道の場合は、役所の立ち会いも必要です。
流れ⑤土地分筆登記をおこなう
ここまでの作業が済んだら、土地分筆登記をおこないます。
登記には、登記申請書のほか、測量図や筆界確認書が必要です。
一般的には、作業を依頼している土地家屋調査士が代理で作成および手続きをおこないます。
登記の申請が終わると、1週間程度で手続きが完了します。
登記識別情報通知および登記完了証が届けば不動産売却を進めることができるため、不動産会社と相談しながら売却活動を始めましょう。
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まとめ
所有している土地の一部を売却する場合は、原則として分筆をおこない、登記上別々の土地として扱われるようになってから売却活動を進めるようにしましょう。
分筆すれば、売却以外でも活用しやすくなり、かつ負担する税金も安くなる可能性があります。
ただし、分筆する際は土地家屋調査士に依頼し、境界確定測量をおこなう必要があること、また隣地所有者から同意を得るなど、手続きに多くの時間がかかることを理解しておきましょう。
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