不動産購入時に年収から予算を決める方法!計算方法や返済比率も解説

不動産購入時に年収から予算を決める方法!計算方法や返済比率も解説

不動産購入を考える際、「予算をどのくらいに設定すればよいか」と悩む方も多いでしょう。
本記事では、予算を立てる方法や住宅ローンの借入額を算出する方法について解説します。
また、予算設定時の注意点についても触れていますので、不動産購入を検討中の方や、借入額の決め方に迷っている方はご参考になさってください。

不動産購入に必要な予算とは?

不動産購入に必要な予算とは?

不動産の購入は人生のまかでも大きな決断かと思います。
そして不動産購入を成功させるには、事前に予算について考えておいた方が良いです。
購入に向けて予算を立てることで、自分に合った物件を選び、計画を実現することができるためです。
そして、不動産購入時の予算を算出する際は、年収倍率、頭金、借入可能額を総合的に考慮することが重要になってきます。
そうすることによって、余裕を持った計画を立てることができ、安心して新生活をスタートできるようになるのです。
まずは、予算算出の基本的な方法を解説します。

年収倍率

不動産の購入可能額を考える際、年収倍率がよく用いられます。
これは、年収に基づいて購入可能な物件の価格を算出する方法です。
下記がおおよその年収倍率になります。

●全国平均年収の7.2倍
●首都圏年収の7.6倍
●近畿圏年収の7.1倍
●中古物件5倍前後が目安


上記のように、年収の5~7倍を基準として予算を考えると現実的です。
全国平均は年収の7.2倍で、とくに首都圏では7.6倍と高めになる傾向があります。
中古物件は新築よりも価格が抑えられるため、5倍前後が目安です。
ただし、エリアや物件の種類によって倍率に差が出るため、状況に応じて調整する必要があります。

頭金

不動産購入時の予算は、頭金と住宅ローンを合わせた額で算出することができます。
頭金の役割
頭金を多く用意するほど、借入額が減少し、毎月の負担が軽くなります。
たとえば、フラット35では、物件価格の10%以上の頭金を用意しても自動的に低金利の特典が受けられるわけではありません。
借入比率(LTV)や物件が一定の技術基準を満たすかどうかによって金利が変動する仕組みになっています。
なお、低金利のローンを利用することで、総返済額を抑えることができます。
注意点
頭金を出しすぎると、突然の病気や失業など予期せぬ事態に備える緊急予備費が不足し、家計が圧迫される可能性があります。
一方で、頭金を全く出さずに全額ローンを組むフルローンでは、負担が大きくなる可能性があるため、慎重に検討しましょう。
頭金の目安
一般的には、自己資金の20~40%を頭金として用意するケースが多いです。
バランスを考慮し、無理のない金額を設定してください。

借入可能額の考え方

年収に対する住宅ローンの返済比率を基に、ローンの借入額を決める方法もあります。
返済比率が低いほど、家計の負担を軽減できます。
年収に応じた返済比率
収入に対する返済額が大きすぎると、生活に支障が出る可能性があるため、返済比率を適切に設定することが重要です。
ボーナス払いの有無
ボーナス払いを利用するかどうかも、計画を立てる際のポイントになります。
ボーナス払いは月々の返済負担を減らせますが、収入減少時のリスクが伴うため慎重に検討が必要です。
また、金利のタイプやローンの条件によって借入額が変わるため、事前に十分にシミュレーションをおこないましょう。

不動産購入予算の算出方法

不動産購入予算の算出方法

不動産を購入する際、適切な予算を算出することは重要です。
続いては、具体的な算出方法やシミュレーションの活用方法をわかりやすく解説します。

借入可能額の算出方法

現在賃貸住宅に住んでいる場合、支払っている家賃を参考に借入可能額を算出することができます。
家賃を月々返済する住宅ローンの金額と仮定することで、余裕を持った借入額を算出できます。
例:月々10万円の家賃を支払っている場合
月々10万円の支払いを30年間続けると仮定すると、30年ローンで考えると金利を除いた借入可能額は約3600万円になります。
この方法を使えば、現在の生活水準を維持したまま返済できる金額を把握できます。
シミュレーションで予算を把握する
頭金と借入可能額を合計すれば、購入可能な物件の予算が算出できます。
ただし、住宅ローンの返済期間は最長で35年にわたるため、長期的な視点で計画を立てることが大切です。
ライフプランを考慮する
家族構成や収入状況の変化を予測し、教育費や医療費など将来の支出を考慮した計画を立てましょう。
とくに子どもの成長に伴い、家計に占める教育費の割合が増加する場合があります。
シミュレーションの活用
金融機関や不動産会社のウェブサイトでは、住宅ローンのシミュレーションサービスを提供しています。
シミュレーションでは以下の情報を入力するだけで、借入可能額を簡単に試算できます。

●年齢
●世帯年収
●返済期間
●金利


シミュレーション結果の注意点
シミュレーション結果は目安であり、最終的な借入可能額は金融機関の審査により決定します。
そのため、結果に依存しすぎず、専門家に相談しながら余裕のある計画を立てましょう。
また、シミュレーションで提示された金額をそのまま借り入れると、家計に負担をかける可能性があるため、余裕を持った計画を立てることが大切です。
専門家のサポートを活用する
シミュレーション結果をもとに具体的な予算を決める際は、専門家に相談することが重要です。
ファイナンシャルプランナーや不動産会社のアドバイザーに相談することで、自身では気づきにくいローン条件の比較や最適な借入計画を提案してもらえるため、効率的かつ安心して計画を立てられます。

不動産購入時の年収に対する返済比率とは?

不動産購入時の年収に対する返済比率とは?

住宅ローンを借りる際に重要となるのが「返済比率」です。
この数値は、金融機関が審査の際に利用するだけでなく、借り手自身が計画を立てる際にも大切な指標です。
借入可能な上限額だけを基準にするのではなく、余裕のある計画を立てることが、安心した生活を送るためのカギとなります。
最後に、年収に対する返済比率について解説します。

住宅ローンの返済比率とは

返済比率とは、「年収に対する年間返済額の割合」を指します。
この数値をもとに、借入額が妥当かどうかを判断します。
計算方法は以下の通りです。
『年間返済額÷年収×100=返済比率』
返済額には、住宅ローンだけでなく、その他の借入(自動車ローンや教育ローンなど)の返済額も含まれます。
一般的に、返済比率の基準は30~35%程度が適切とされ、金融機関によって若干の違いがあります。
例:年収500万円の場合
年間返済額が150万円なら、返済比率は30%(150万円÷500万円×100)となります。
返済比率の目安
返済比率の上限は、利用するローンの種類や金融機関によって異なります。
たとえば、フラット35では以下の基準が設定されています。

●年収400万円未満の場合返済比率30%以下
●年収400万円以上の場合返済比率35%以下


ただし、これらは上限値であり、現実的な返済プランを立てるためには、返済比率を25~30%程度に抑えるのが理想です。
高い返済比率のリスク
住宅ローンは返済が数十年にわたる長期の契約です。
高い返済比率は収入減少や突発的な出費時に家計を圧迫するリスクがあります。
収入減少や予期せぬ支出、ライフイベントによる大きな負担を考慮し、余裕を持った返済比率を設定しましょう。

まとめ

不動産購入の予算は、年収倍率、頭金、借入可能額を総合的に考慮し、無理のない計画を立てることが重要です。
返済比率は年収に対する年間返済額の割合を示し、一般的に25~30%以内に抑えるのが理想です。
シミュレーションや不動産会社など専門家の相談を活用し、長期的なライフプランを見据えて計画を進めましょう。