リバースモーゲージとは?メリットとデメリットも解説

リバースモーゲージとは?メリットとデメリットも解説

老後資金問題がテレビなどで取り上げられ、不安になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
年金だけでは生活が難しく、定年後も働き続ける方が増えています。
そんななか注目を集めているのが、リバースモーゲージというものです。
老後資金をまかなうために、持ち家を売却したり賃貸に出したりするなどの選択肢もありますが、実際に住み慣れた場所を手放すことに抵抗を感じる方も少なくありません。
今回は不動産のリバースモーゲージとはなにか、用いるメリットとデメリットを含め解説します。
不動産を手放そうとお考えの方は、ぜひ参考になさってください。

不動産におけるリバースモーゲージとは?

不動産におけるリバースモーゲージとは?

まずは、リバースモーゲージとはなにか、仕組みとともに解説します。

リバースモーゲージとは?

リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保にしてお金を借り入れる制度です。
一括もしくは年金の形で定期的に融資を受け取りながら、自宅に住み続けることができます。
そして契約者が亡くなったときに持ち家を売却し、借り入れ金を一括で返済します。
リバースモーゲージは、高齢者が自宅を活用して資金を調達する方法といえるでしょう。
ちなみにリバースは逆、モーゲージとは抵当権という意味です。
一般的な住宅ローンは、一括で借り入れたお金を毎月返済していき、最終的には残債がゼロになります。
一方、リバースモーゲージは最後にまとめて返済するのが特徴です。
そのため、リバースという名前が付けられています。

リバースモーゲージの特徴

不動産のリバースモーゲージの特徴として、下記が挙げられます。

●一括返済をするのは契約者が亡くなったとき
●毎月の返済方法が利息のみとなる
●対象となるのは高齢者となるのが一般的


上記を見ると、住宅ローンとは大きく特徴や仕組みが異なります。
また、リバースモーゲージは、各都道府県の社会福祉協議会や金融機関が主に取り扱う制度です。
どこで利用するかによって、借り入れ金の使用用途や限度額、利用できる不動産が変わってきます。

適しているケース

リバースモーゲージが適しているケースとしてまず挙げられるのが、自宅は持っているが貯金や収入が少ない方です。
いくら資産があったとしても、貯金や収入が少なければ生活に支障が出てしまいます。
利用することによって、住み慣れた自宅に住み続けながら毎月生活資金を得ることが可能です。
また、近年はお子さまのいらっしゃらない方や、お子さまが独立して自宅を持つというケースが増えています。
最終的に不動産は売却することになるので、そのような方にも適した制度といえるでしょう。
とはいえ、高齢になっても働かなければならない現状や、公的年金のみでは生活が成り立たないと感じる方は少なくありません。
そうした背景から、リバースモーゲージによって一定の資金を確保できることは、高齢者にとって大きな安心材料になるでしょう。
住む場所を確保しつつお金を借り入れることができれば、日々の生活も安定したものになります。

リバースモーゲージを用いるメリット

リバースモーゲージを用いるメリット

続いて、不動産を所有している方がリバースモーゲージを用いるメリットについて解説します。

メリット①毎月の支出を抑えることができる

メリットとしてまず挙げられるのが、毎月の支出を抑えられる点です。
先述のとおり、自宅を担保にしてお金を借り入れたあと、毎月返済するのは利息のみとなります。
元金と利息を支払う住宅ローンに比べて、金銭的な負担を軽減することが可能です。
受け取る年金が少なくなったり、高齢になって医療費が高額になったり、近年の物価高によって生活に支障が出てしまうケースも少なくありません。
毎月の支出が抑えられれば、老後の生活にゆとりが生まれます。

メリット②自宅を手放さずに済む

自宅を手放さずに済むことも、メリットの一つです。
土地や建物といった不動産は、借り入れ時の担保となります。
そのため、一括返済時まで住み続けられるのがメリットです。
しかし、契約者が亡くなったときに自宅を売ることになるため「配偶者は住まいを失うのか…?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
金融機関や契約内容によっては、配偶者が引き継ぐことも可能なので、そのようなリスクも回避できます。

メリット③借り入れたお金の使用用途が幅広い

メリットとして、借り入れたお金の使用用途が幅広いことも挙げられます。
リバースモーゲージによって借り入れたお金の使い道として多いのは、下記のとおりです。

●住宅ローンの完済
●自宅のリフォームやリノベーション
●施設への入居費用など


借り入れたお金で住宅ローンを完済したり、自宅を老後の生活に合わせてリフォームやリノベーションしたりすることができます。
また、老人ホームに入居する場合、その費用として利用することも可能です。
借り入れたお金を比較的自由に使えるのは、リバースモーゲージならではのメリットといえるでしょう。

リバースモーゲージを用いるデメリットとリスク

リバースモーゲージを用いるデメリットとリスク

最後に、不動産を所有している方がリバースモーゲージを用いるデメリットとリスクについて解説します。

デメリット①団体信用生命保険には加入できない

デメリットとしてまず挙げられるのが、団体信用生命保険に加入できないことです。
団体信用生命保険とは、契約者が亡くなったり高度障害を負ったりした際に、残債の返済が免除される制度です。
一般的な住宅ローンでは利用できますが、リバースモーゲージ型住宅ローンは対象外となります。
そのため、契約者が亡くなっても保険金が下りないことがデメリットです。

デメリット②契約期間が設定されている場合は途中返済が求められる

契約期間が設定されている場合、途中返済が求められることも、デメリットの一つです。
先述のとおり、リバースモーゲージは契約者が亡くなったあと、不動産の売却代金で元金を一括返済します。
しかし、契約期限が定められているケースも多いです。
契約期限が定められている場合、契約者が亡くなる前に一括返済しなければならない可能性があります。
そのため、契約を締結する際は、契約期限が設定されているか否かを確認する必要があります。
そのようなリスクを回避するためには、契約終了日を契約者が亡くなった日に設定することがポイントです。

リスク①金利変動によって支払い金額が高くなる可能性がある

リスクとしてまず挙げられるのが、金利変動によって支払い金額が高くなる可能性があることです。
一般的には変動金利が用いられており、契約時から変わる恐れがあります。
大幅に上昇した場合、支払い金額が増え、家計を圧迫してしまうでしょう。

リスク②どのくらい長生きするかはわからない

どのくらい長生きするかはわからないことも、リスクとして知っておくべきポイントです。
日本では平均寿命が延びているため、想定よりも長生きする可能性は十分にあり得ます。
長生きによって限度額までお金を借り入れてしまうと、返済ができなくなる恐れがあります。
万が一返済ができない場合、不動産は強制的に売られてしまい(競売)、自宅を失うことになるでしょう。
生活資金も住まいも失うことになってしまうと、老後の生活に支障が出てしまいます。
そのため、借り入れたお金は計画的に使い、資金計画をしっかり立てることが重要です。

まとめ

リバースモーゲージとは、自宅などの不動産を担保にして金融機関からお金を借り入れる制度です。
毎月の支出を抑えられることや、自宅を手放さずに済むこと、借り入れたお金の使用用途が幅広いことなどがメリットとなります。
一方、団体信用生命保険に加入できないことや金利変動によって支払い金額が高くなる可能性があること、契約内容によっては途中返済が求められる可能性があることなどがデメリットです。
メリット・デメリットを十分に把握したうえで、利用するかどうかを判断しましょう。