建物構造の1つ「木造住宅」とは?耐用年数やメリット・デメリットを解説
木造住宅は、木が湿気を吸収しやすいため、日本の高温多湿な気候に適しています。
木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、あくまで建物が税法的に使用できる年数を示すもので、実際に住むことができる期間とは異なる場合が多いです。
本記事では、建物構造の1つ「木造住宅」の耐用年数やメリット、デメリットについて解説します。
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木造住宅の耐用年数とは?
建物の構造によって、耐用年数は異なります。
耐用年数は実際に住める年数とは限りません。
耐用年数とは、税法上で定められた減価償却を計算するために用いられる期間のことです。
税務上で定められた耐用年数は「法定耐用年数」と呼ばれています。
法定耐用年数は、家電や車など、建物以外にも適用されます。
建物構造別の耐用年数とは
建物の構造別の耐用年数は以下のとおりです。
●木造住宅:22年
●鉄骨鉄筋コンクリート造住宅:47年
●木骨モルタル造住宅:20年
法定耐用年数の設定理由は、建物が経年により価値が低下するためです。
税の面で公平を保つために減価償却をおこなう必要があるとされています。
つまり、法定耐用年数の期間は財務上の計算に使われるもので、建物の実際の使用可能年数を示すものではありません。
木造住宅の寿命とは
木造住宅は、耐用年数の22年を越えると、その後の価値はほぼゼロになると考えられがちです。
しかし、22年の耐用年数は税法で使われる減価償却の計算に基づいた期間であり、実際の住宅の使用可能年数とは異なります。
実際には、適切なメンテナンスや建材の質によって、木造住宅は22年以上長く使えることが多いです。実際のところ、木造住宅の寿命は一概に言えるものではありません。
多くのハウスメーカーは長持ちする家を提供することに注力しており、100年住宅や60年保証を提供する例もあります。
つまり、木造住宅でも定期的なメンテナンスと質の高い材料の使用により、長期間快適に住むことが可能であることを意味しています。
木造住宅の寿命は、どれだけ丁寧にメンテナンスをおこなうかが大切です。
とくに、水回りはカビや湿気が発生しやすいので、こまめに清掃し、常に換気を心がけましょう。
これにより、木材の大敵である湿気やカビを抑制できます。
また、家全体の状態を長持ちさせるためには、定期的な点検とアフターメンテナンスが重要です。
たとえば、屋根は約7年から15年ごとにメンテナンスをおこなうのが一般的です。
木造住宅を建てた建築業者に定期的な点検を依頼し、必要に応じて適切なメンテナンスや修繕を実施しましょう。
このような継続的なケアにより、住宅の寿命を大幅に延ばすことが可能です。
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木造住宅のメリットとは?
木造住宅は、日本の一戸建て市場で人気があり、全体の9割以上を占めています。
木造住宅の魅力は、使用されている木材が日本の気候に適していること、そしてその自然な香りや見た目が、リラックスできる落ち着いた空間を提供することにあります。
さらに、以下のメリットも大きいです。
①気密性が高い
木造住宅は構造上、柱や壁が多く必要となるため、高い気密性を実現します。
気密性が高いとは、家のなかに隙間が少なく、外からの空気の侵入を防ぐことを意味します。
家の内部は外の気温の影響を受けにくくなり、断熱性が向上し、結果として、エアコンの効率が良くなるため、エネルギーの節約にもつながりますね。
②費用が安い
木造住宅は、軽量鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、建築費用が抑えられるという大きなメリットがあります。
木材が軽量であるため、基礎工事や土地改良の手間が少なく済むからです。
また、鉄骨には耐火処理や防錆処理などの事前処理が必要ですが、木材は自然に耐火性能を持っているため、これらの処理が不要です。
このような特性から、木造住宅の建築にかかる手間とコストを削減することができます。
なお、構造による建築費用の違いを示す坪単価の目安は以下のとおりです。
●木造:約57万円
●鉄骨造:約91万円
●鉄筋コンクリート造:約95万円
ただし、使用する木材の種類や建築業者によって、上記の価格は変動することがあるため、その点は注意が必要です。
③耐火性に優れる
木造住宅に対して「木材を使っているから燃えやすいのでは?」と心配される方も多いですが、実は木造住宅は耐火性にも優れています。
木材は内部まで火が浸透するのに時間がかかるため、予想以上に燃焼に強いのです。
その間に火災を抑制する対策を施すことが可能です。
一方、鉄骨材は熱伝導率が高いため、火事の場合、温度が急速に上昇します。
鉄骨の構造が急激に弱まり、建物が崩れるリスクがあります。
上記の点を考慮すると、木造住宅が持つ耐火性の利点は、一見すると意外かもしれませんが、重要な特性です。
④日本の気温に適している
木造住宅は、日本の高温多湿な気候に適しています。
木材には自然な吸湿作用があり、湿気を緩和してくれるため、居住空間をより快適に保ています。
さらに、冬の乾燥する季節には、木材が含んでいる水分を放出する作用があるため快適です。
このように、木造住宅は湿度を自然に調整し、季節を問わず室内環境を適度に保つため、一年中快適に過ごせる住まいです。
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木造住宅のデメリットとは?
木造住宅にはメリットが多いですが、理解しておくべきデメリットもあります。
①品質が均一に保ちにくい
木造住宅の最大のデメリットの1つは、品質が均一に保ちにくい点です。
木造住宅は、現場で木材を一から組み立てて建てられるため、職人の技術力が直接品質に影響します。
一方、軽量鉄骨などの住宅は工場で部材をあらかじめ加工し、現場で組み立てる工法を採用しているため、職人の個人差による品質のばらつきが少なく、より均一な品質を維持しやすいです。
そのため、木造住宅を選ぶ際は、建築業者や工務店の技術力を確かめることが重要です。
信頼できる建築業者やハウスメーカーを選ぶと、品質の高い木造住宅を手に入れることができます。
②防音性が低い
木造住宅は、使用されている木材の性質上、遮音機能が比較的劣っており、音がとおりやすいデメリットがあります。
とくに、車や電車などの騒音が多い場所に住む場合、外からの騒音に影響を受けやすいです。
騒音問題に対処するためには、二重窓や厚手のカーテンを取り入れるといった防音対策が効果的です。
二重窓や防音カーテンは、外からの音の侵入を減らすのに役立ちます。
さらに、ピアノやドラムなど音の大きな楽器を演奏する場合は、専用の防音ルームの設置が必要になることもあります。
適切な対策を講じると、木造住宅でも快適な生活空間を保つことが可能です。
③害虫被害に遭いやすい
木造住宅は、シロアリなどの害虫被害に注意が必要です。
シロアリは土のなかから建物の基礎を通って内部に侵入し、木材を食べることを好むため、住宅の構造に重大なダメージを与える可能性があります。
害虫被害を防ぐためには、あらかじめ防蟻(ぼうぎ)作用のある木材を使用するか、定期的なメンテナンスとして防蟻薬剤の散布をおこなうことが効果的です。
④デザインの自由度が低い
木造住宅は耐震性を確保するために、壁や柱を多く用いる構造を採用しています。
そのため、デザインの自由度を制限する一因となることもあります。
たとえば、大きな一面の窓や高い吹き抜けのある部屋など、特定のデザイン要素を取り入れるのが難しいです。
デザイン性を重視し、より自由度の高い住宅を希望する場合は、木造軸組み工法や木造ラーメン工法など、柔軟な設計が可能な建築方法を選択すると良いでしょう。
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まとめ
木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、定期的にメンテナンスをおこなうと長期的に住むことも可能です。
木造住宅のメリットは、気密性の高さや費用が安い点、耐火性に優れ、日本の気候に合っている点です。
一方で、品質が均一でない点や防音性が低い点、害虫被害に遭いやすくデザインの自由度が低い点がデメリットになります。
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