住宅ローンが返済不可になった場合の対処法は?競売・任意売却も解説

不動産豆知識

住宅ローンが返済不可になった場合の対処法は?競売・任意売却も解説

念願のマイホームを購入したものの、やむを得ない事情により住宅ローンが返済不可になる場合があります。
返済が苦しいと感じ始めたら、早めに対処法を確認することが大切です。
そこで今回は、住宅ローンが返済不可になった場合の対処法とともに、競売・任意売却について解説します。

住宅ローンが返済不可になりそうな場合の対処法

住宅ローンが返済不可になりそうな場合の対処法

さまざまな事情によって、住宅ローンの返済が苦しいと感じることがあります。
まずはどのような対処法があるか確認し、早めに動き出すことが大切です。

住宅ローンが返済不可になる理由は?

住宅ローンが返済不可になる理由には、住宅ローンの返済計画に無理があることが挙げられます。
理想のマイホームを手に入れるために限度額まで住宅ローンを借りると、毎月の返済が高額になります。
無理のある返済計画だと生活のために自由に使えるお金が少なくなり、わずかでも収入が減ると滞納リスクが高くなることが注意点です。
また、長い返済期間のなかでは、大幅な収入減や失業など思いもよらぬ問題が発生することがあります。
不景気により会社の経営が傾くほか、自分の病気や怪我により仕事ができなくなるリスクには注意が必要です。

対処法①金融機関への相談

住宅ローンの返済滞納が始まる前に、金融機関へ相談することが重要な対処法です。
金融機関に相談した場合、毎月の負担金額を減らすとともに返済期間の延長を検討してもらえます。
また、一時的な収入の減少から住宅ローンが返済不可になっているならば、半年から1年程度は利息払いのみにしてもらうことも有効な対処法です。

対処法②家計を見直す

金融機関への相談とあわせておこないたいのが、家計の見直しです。
無駄な出費がないか確認し、住宅ローンの返済に少しでも費用を回せないか確認しましょう。
これ以上は生活費を削減できないと思っていても、毎月の支出を書き出してみると、減らせる無駄に気がつくことがあります。

対処法③借り換えをおこなう

現在返済している住宅ローンの金利負担が大きい場合には、ほかの住宅ローンへ借り換えをおこなうことが対処法になります。
今よりも金利の低い住宅ローンに借り換えをおこなえば、そのぶんだけ返済金額を減らせます。
ただし、借り換えの手続きには、繰上返済手数料・事務手数料・保証料といったコストがかかることが注意点です。

対処法④団体信用生命保険が適用されるか確認する

住宅ローンでお金を借りる場合、団体信用生命保険への加入を求められるのが一般的です。
団体信用生命保険とは債務者が亡くなった場合に残債が支払われるものですが、病気にかかったら保険金が下りることがあります。
どのような条件で保険金が下りるかは、加入時のオプションなどにより異なります。
病気や怪我が原因で住宅ローンが返済不可になった場合には、まずは団体信用生命保険の契約内容を確認してみましょう。

住宅ローンが返済不可になってから競売になるまで

住宅ローンが返済不可になってから競売になるまで

住宅ローンが返済不可になると、競売でマイホームを手放さなくてはならなくなる場合があります。
どのような段階を踏んで競売になるか、全体の流れを見てみましょう。

競売とは

競売とは、住宅ローンの支払いを滞納し続けた結果、銀行や保証会社といった債権者によって不動産を強制的に売却されることを指します。
銀行や保証会社といった債権者は、お金を貸す代わりに不動産を担保とするのが一般的です。
そして、住宅ローンの支払いを滞納し続けると債権者は裁判所に申し立てをおこない、競売で不動産を売却します。
マイホームが競売にかけられると、そのまま住み続けることはできず、強制退去になります。
しかし、住宅ローンを1回でも滞納したら即競売になる訳ではありませんので、早めに手を打つことが大切です。

競売までの流れ

住宅ローンの返済を3か月ほど滞納し続けると、お金を貸している金融機関から督促状や催告書が届きます。
これに応じて返済をおこなえば問題ないものの、さらに半年ほど滞納が続いた場合におこなわれるのが、金融機関から保証会社への一括返済請求です。
保証会社は、金融機関からの求めに応じて残りの住宅ローンを一括で返済するとともに、債務者へ競売の申し立てをおこないます。
通常であれば、住宅ローン滞納から競売開始決定までは7~8か月ほどとなり、執行官訪問・競売情報の一般公開を経て入札と開札が実施されます。
さらに、競売を終えてから所有権の移転・マイホームからの強制退去までは、2~3か月ほどが必要です。
競売になるまでの流れのなかで、金融機関からの督促の段階を過ぎて保証会社へ一括返済が請求されてしまうと、自分で一括返済しない限りはマイホームに住み続けることはできません。
このほかに、競売後に所有権を移転してもマイホームから引っ越さない場合には、引き渡し命令申し立ておよび強制執行になります。
強制執行になると、鍵を変えられ家財道具も運び出されることにご注意ください。

住宅ローンが返済不可になった場合に考える任意売却

住宅ローンが返済不可になった場合に考える任意売却

住宅ローンが返済不可になった場合、競売以外にもとれる対策があります。
競売を避けたいとお考えならば、任意売却の内容とメリットについてチェックしてみましょう。

任意売却とは

住宅ローンが返済不可になった場合でも、マイホームを売却してその代金で返済できれば問題はありません。
しかし、マイホームの売却代金を全額使っても住宅ローンを返しきれないと、競売へと進むリスクが高くなります。
このようにマイホームの売却で住宅ローンが一括返済できない場合に競売を回避する手段となるのが、任意売却です。
任意売却とは、債権者である金融機関の同意を得たうえで、住宅ローンを返しきれない不動産を売却することを指します。
原則として住宅ローンが一括返済できなければ金融機関はマイホームの売却を認めませんが、少しでも高値で売れる可能性があれば任意売却に同意してくれる可能性があります。
任意売却を成功させるポイントは、早めの準備と信頼できる不動産会社選びです。
入札が始まると任意売却がほぼ不可能になるので、競売開始決定通知が届く前に動き出すことが大切です。

任意売却を利用できるのは?

任意売却を利用できるのは、不動産を売却しても住宅ローンを一括返済できない方です。
また、住宅ローンを3~6か月ほど滞納している方も、任意売却が利用できる可能性があります。
さらに、競売を回避して任意売却をおこなえる期間は、競売の入札2日前までです。
一度競売が開始されてしまうと、任意売却を選択することはほぼ不可能となってしまうため、なるべく早めに手続きをおこなう必要があります。
くわえて、すべての場合に任意売却が認められるのではなく、金融機関に認めてもらえない可能性があることにも注意が必要です。

任意売却のメリット

任意売却をおこなう場合、競売よりも高値で売却できることがメリットです。
競売は通常の不動産売却よりも2~3割ほど安値での取引となる一方で、任意売却は相場と同等の価格で売れるチャンスがあります。
また、競売となると情報が公になるためプライバシーが守られにくいですが、任意売却ならばプライバシーを守りながら不動産を売却できるメリットがあります。
住宅ローンが返済不可となってもできるだけ穏やかな日常を送りたいならば、任意売却について金融機関に相談してみましょう。
さらに、任意売却は競売と違い、マイホームの売却代金から引っ越し代金などを出せる可能性があることが大きなメリットです。
このほかにも、任意売却であれば退去日についてある程度融通が利きますので、新生活をスタートさせやすいでしょう。

まとめ

住宅ローンが返済不可になりそうな場合、金融機関への相談や家計の見直しは有効な対処法です。
住宅ローンを滞納してしまうと競売になりますが、実際に競売開始が決定するまでには7~8か月ほどあります。
競売を回避するために任意売却の内容とメリットもチェックして、住宅ローンの返済不可問題を解決してみてください。


”不動産豆知識”おすすめ記事

  • ローン残債がある不動産は売却できる?売る方法や注意点を解説の画像

    ローン残債がある不動産は売却できる?売る方法や注意点を解説

    不動産豆知識

  • 不動産を現状渡しで売却するには?メリットやデメリットをご紹介の画像

    不動産を現状渡しで売却するには?メリットやデメリットをご紹介

    不動産豆知識

  • 不動産の相続にかかる税金は?種類と計算方法を解説の画像

    不動産の相続にかかる税金は?種類と計算方法を解説

    不動産豆知識

  • 不動産購入時の重要事項説明とは?確認ポイントや注意点をご紹介!の画像

    不動産購入時の重要事項説明とは?確認ポイントや注意点をご紹介!

    不動産豆知識

  • 不動産購入時にかかる費用や税金の種類とは?住宅ローン保証料も解説!の画像

    不動産購入時にかかる費用や税金の種類とは?住宅ローン保証料も解説!

    不動産豆知識

  • 新築住宅の子ども部屋どう作る? アイデアとコツを解説の画像

    新築住宅の子ども部屋どう作る? アイデアとコツを解説

    不動産豆知識

もっと見る